【質問】
最近、ストレスが癌や認知症の原因になる等の、医学記事をよく見かけます。
現代人にとってストレスは日常茶飯事で、会社や学校、友人、家庭等で問題を抱えて苦しんでいる人は多いと思います。
このストレスを何とか克服する方法はありますか?
【答え】
心理的なストレスの原因は、理想と現実のギャップから生まれます
人は、自分の願望(理想)が現実と合致しない時にストレスを感じます。
この場合の願望(理想)とは、
「人はこうあるべきだ・・自分はこうなって然るべきだ・・」
という社会の規範や常識のことを意味しています。
社会の規範や常識は、それを信じて疑わない人をがんじがらめに縛り、現実を捻じ曲げて解釈するように強制します。
それは、まるで宗教、信仰と同じです。
そして、その社会規範という宗教に嵌った人が、その宗教(社会規範、ルール)からズレる現実に直面すると、ストレスを感じるようになるのです。
このようなストレスは、実は現実逃避を表しています。
何かにストレスを感じる時は、自分が今取り組むべき課題を教えています。
そういう時は、目の前にある課題に真正面から集中して取り組むべきです。
人が目の前の課題に必死で取り組むときは、ストレスなどいつの間にか消えてしまいます。
現実の課題に集中して取り組むと、人はストレスを感じなくなります
この現実の課題に取り組むことは、精神の修養の為に必要な過程で、実はストレスが必要な修練を教えてくれているのです。
ゆえに課題を放置するということは、自分が直面すべき現実から逃避することを意味します。
現実逃避するゆえに、結局目の前の課題に取り組めなくなってしまうのです。
もしストレスの対処法を求められれば、
「もっとあなたの目の前の課題に集中しなさい。そうすれば、ストレスは溜まりません。」と答えることになります。
ではなぜ現代社会では、現実から逃避する人がこんなにも多いのでしょうか?
グローバル化した現代人には理想の型が多すぎて、それに振り回されています
現代人は、概ねストレスを沢山抱え込んでいます。
昔は、例え極貧階級の人でも、今程ストレスを溜めていませんでした。
現代人は、「こうであらねばならない・・」という理想のあるべき型を信じすぎていると言えます。
そしてそれは宗教や信仰のように、それ以外の型を禁じてしまいます。
「現実ほど道理が通っているものは無い」というのがこの世の真理です。
この世と現実は、なるべくして成っている・・さらに自分の現実は、自分が加担して作っている・・・
にもかかわらず、
それが道理であることを認めずに、現実を「あるまじきことだ!・・許されないことだ!」
等と、思い込むのでストレスになり、その取り組みから逃避するので、ストレスが強化されて肥大化するのです。
共通の理想の型が多すぎると、その全てにストレスを抱えやすくなります
現代社会はSNS等でグローバル化されているゆえに、人々はますます多くの共通の認識や理想の型を抱え込むようになります。
その多くの信仰(型)に縛られて、それを守らねばならない教義にしてしまうのです。
もし、そんな自分が実は無明(知恵がないこと)であることに気が付けば、正しい真理である「現実の解決方法」を求めて真摯に取り組めることになるのですが・・。
この現実の課題に集中して取り組む状態は、実は真理を求めて瞑想している状態と同じなのです。
原初の仏教においても、仏弟子たちは自分が無明であることを悟って真理を求めて瞑想していました。
これと同じ状態になるのです。
世の趨勢の歪んだ信仰(理想と思い込んでいる型)に流されることなく、ストレスを感じるときは、真摯に現実の課題に取り組めば、ストレスを克服できるでしょう。