【質問】
安倍元総理の暗殺事件以来、日々、政界と統一教会のズブズブの関係が暴かれて、暗澹たる気持ちになります。
ここまで日本の政界が外国由来の宗教に浸食されていることに、驚きを隠せません。
日本人の財産が略奪されているだけでなく、政治までも牛耳られているとは、怒りを通り越して絶望しかありません。
こうなってしまった原因は何ですか?また、解決方法はありますか?
【答え】
日本における献金関連の汚職は、世界標準から見ても「特に酷い」としか言いようがありません。
献金を受ける立場の者は、政治家や官僚、役人などですが、現職の彼らにはバックボーンが存在しないので、狙われ易く、簡単に取り込まれてしまうのです。
ひと昔前の日本人のバックボーンは、一族の繋がりであったり、故郷の村やふるさとの先祖代々から受け継がれたもの等であったのです。
それに対して現代の日本人は、一族の繋がりや故郷の村などの守るべきものが希薄になったために、簡単に自分の利得のために国を売るようなことが平気で出来るようになってしまったのです。
これは、先の世代(戦後すぐに生を受けた世代)が日本古来の集団主義を破壊して、日本を個人主義に変えてしまった為です。
彼らは戦後のGHQの個人主義教育を受けた世代ですが、個人主義に徹しており、自分自身の子どもも含めて次世代となる子孫を、ちゃんと育てなかった世代なのです。
だから、その前の戦前の世代より受け継がれてきた理念や技術などが次の世代に受け継がれなかったのです。
彼らは、人を育てることに興味が無かったのです。
自分の親世代だけでなく、子孫や次世代を守ったり育てようとする気持ちが薄いので、その子孫世代は、頼るべきものを失ったのです。
つまり、親や一族、故郷というような自分が属すべきものが失われてしまったのです。
言い換えれば、次世代は、後ろ盾を失ってしまったのです。
後ろ盾のない人は、魂胆を持って近づいて来る宗教にやられ易くなるのです。
先の世代とは、日本で核家族化した世代です。
核家族化すると、一見楽になるように見えるのです。
先祖や子孫のしがらみから逃れられて、守らなくてよくなりますが、その代りにバックボーン(後ろ盾)も失ってしまうのです。
有るのはお金だけになってしまいます。
そして人生において精神的に不安に陥ったり、困難にぶつかったりすると、頼るもの(後ろ盾)が無いので、代わりに宗教に頼るようになったりするのです。
魂胆を持つ宗教は、非常に熱心に勧誘活動をするので、取り込まれ易くなるのです。
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【高度経済成長世代と宗教】
戦前、日本人には「投資」という概念が希薄でした。だから、バブル期に非常に豊かになったのは、ほぼ全てが海外からの投資によるものでした。
バブル期には、外国が日本人の勤勉さと技術力の高さに期待して、こぞって投資しました。投資されるということは、一種の負債を背負うことと同義なのです。
投資された資産を使って更なる利益を出すように、技術の革新と人材の育成や設備の投資などを行わないといけないのです。
日本企業は、このバブル期に海外からの投資によって得た資金を何に使ったのか?
社員の育成、設備の効率化、技術の研究開発などに使えたのか?
残念ながら殆どの企業人が、豪遊したのです。
そして、バブルが崩壊した時が正念場でした。
殆どの余剰資産が泡となって消えたのです。・・・・・
このことはバブル期の儲けが、日本にとっては不当な、分不相応なものだったことを表しています。
又このころには、次世代を育てるノウハウが存在しなかったとも言えます。
バブル期には、濡れ手に粟でお金が幾らでもたんまりと入るので胡坐(あぐら)をかいてしまい、社員教育や研究開発をさぼってしまいました。
だから、バブルが終わると本当に全く何も残らなかったのです。
堅実に投資に使わず、豪遊してしまったので、当然の結果なのです。
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このように、何も受け継げずに育てても貰えなかった世代が、いま現役世代となっています。
いわば、先の世代より見捨てられた世代とも言えるのです。
先の世代が、親や子どもの世代を放棄した結果、この見捨てられた世代に統一教会に嵌る人が続出したことになるのです。
単に信者として搾取されるだけでなく、政治家や官僚、役人までもが「献金される」という形で取り込まれるようになったのです。
この見捨てられた世代は、日本を守る気が無く、逆に日本を見捨てている、と言えます。