No.1で、国民の給料が上がらないのは、税金が高いからだ、という話をしました。
企業が社員を雇用した時に社会保険料の掛け金の割合が高いと、給料をアップした時に雇用主の負担も同時に高くなるのです。
雇用主としては、給料のアップ分と社会保険料の加算分の両方の負担を被ることになり、おいそれとは上げられない理由になっています。
このような理由の他に、実はもっと根本的な原因があるのです。
信じられないかもしれませんが、現代の企業の管理職である老人たちの中には、実は若者には活躍して欲しくないと思っている人がいるのです。
理由は単純です。自分が威張れなくなるからです。それから何と言っても自分たちが贅沢できなくなるからです。
この老人世代は、とにかく贅沢(特にバブル期の)が忘れられない浪費世代です。働かずして贅沢三昧するために、絶対に自分たちの財産を目減りさせたくない人が多いのです。
その為には、自身の財産が目減りするインフレになってもらっては困るわけです。それゆえに、社員の給料を上げることにも消極的になってしまいます。
実は、この世代は、非常に不幸な巡り合わせの世代です。(この世代にはもちろん団塊の世代も含まれます)
彼らは皆、物心が付いた時から全て横並びで競争させられました。まるで犬のようにどっちが上かの序列を決められた世代です。
彼らは精神性の乏しい世代で、自分の知恵を絞って哲学や価値観を身に付けることを知らない人が多いといえます。
彼らは、海外旅行やブランドものを買うなど・・決められた価値観の中でしか価値を見出せないのです。
そうなってしまった原因は、戦後の米国による占領政策にあるのです。
戦後、米国は、日本に対して焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)を施しました。つまり、米国にとって都合の悪い日本の哲学や歴史、思想に関係する書物を全て発禁処分にしたのです。
その結果、日本人は米国にとって都合の良い、一律で同じ情報にしか触れることが出来なくなり、知恵が育めない時代になってしまったのです。
だからこの時代の教育を受けた子供たちの中には、無能に育った人がいたのです。
人は、無能に育つとお金でしか満足出来なくなります。そして、無能な人にお金を持たせると、必ず浪費するのです。
この世代は、日本の独自の文化に触れられなかった恵まれない世代で、結果として、世代全体の傾向として知恵が不足して浪費することになってしまいました。
この恵まれなかった浪費世代が、現在、日本のあらゆる分野の管理職の立場となっていることが、日本の衰退に拍車をかけています。
しかしこの世代より、少し下の世代は全くタイプが違います。
次世代は、日本独自の文化と米国の文化の双方に触れることが出来た世代で、ずっと恵まれた豊かな世代です。
欧米の個人主義が理解できる世代で、自分や他人の個性を尊重し、自分が人と違うことに違和感のない世代です。
僅かしか離れていない世代間で、これだけギャップがあることは、敗戦の結果であり不幸なことですが、知恵の有る世代と人々で、何とか知恵を出し合って、若者世代が豊かになるように力を合わせていくしかありません。
この知恵の有る世代に頑張ってもらい、国の将来を鑑みて、未来の日本を背負う若者たちが何とか豊かに発展出来るように助け、導いてくれることを期待しましょう。