現代では、コロナウイルスが蔓延することにより、様々な日常生活の習慣や行動範囲の変更を余儀なくされています。
政府や医療機関がワクチンの接種やマスクの着用を奨励する一方で、それに反発する人々が多いことも事実です。
しかし、マスクを着用することが正しいのか、それともマスク着用を強制することが誤りなのか。
ワクチンを打つことは正しいのか、それとも過ちなのでしょうか?
そもそも、何故マスクやワクチンの使用がこれほど大きな議論になっているのでしょうか?
日本でも反マスク、反ワクチンは大きく叫ばれてはいますが、西洋諸国や米国と比べると、まだおとなしい印象があります。
ワクチンを打たせようとしている医療関係者はもちろんですが、ワクチンやマスクに断固反対する人々も、また自分たちが正しいと頑なに信じて行動しています。
ただ単純に科学的に考えるならば、ワクチンは打った方が賢明ですし、マスクは着用したほうが感染リスクは大幅に下がることが様々な研究や臨床で証明されています。
しかし、ワクチンを打つとゾンビになる、政府による陰謀が隠されている、5Gと繋がり生活が盗聴される、などの噂がまことしやかにささやかれています。
これらの情報は明らかに科学的には誤りですが、それでも反ワクチンを唱える人々の耳には届かないでしょう。
現実問題として、何故彼らがワクチンやマスクに反発しているのかと言えば、彼らはそもそも政府や社会を信用していないからです。
ワクチンやマスクに反対する人々は、社会から爪弾きにあっていたり、能力や境遇、金銭など様々な事情で恵まれない人々です。
能力に見合った社会的な立場や金銭に恵まれない人もいますが、中には社会からの恩恵を得ることができないどころか、社会から弾圧されたり、見下されたり利用されてきた人々もいます。
彼らは社会から搾取されてきたため、社会というものを信用していません。
社会は彼らから一方的に搾取してきたため、彼らの信頼を損なっているのです。
理論的に正しいかどうかではなく、彼らの信頼を損なった社会が自ら反ワクチンや反マスクを生み出しています。
社会全体が、彼らから恨みを買っているのです。
日本では様々な福祉やセーフティーネットが機能しているため、社会に対する反発がそれほど強くなく、どちらかと言えば恵まれない人々も社会や政府機関の言うことに従う傾向があります。
しかし、例えば個人主義傾向の極めて強いアメリカなどでは、日本のようなセーフティーネットが存在していないことが多いのです。
生きるも死ぬも、全て自己責任です。
政府のコロナ対策が与えるマイナスの影響を誰も保証してくれないのですから、明日の食い扶持にもあぶれる人々が、コロナ対策に反発するのは当然なのです。
彼らは、今までも個人主義の自己責任の名の下に、社会からの支援をまったく受けられずに放置されてきました。
コロナウイルスの蔓延を防ぐためには人類が一丸となって対策を行うしかないのですが、あまりにも行きすぎた民主主義や個人主義が弱者の放置を生み出し、貧富の差をより拡大してしまい、団結を難しくしているのです。