会社における「上司との関係」とは、言ってみれば「親子関係」と同じです。
親との関係が円満だった人は、上司との関係も上手くいく可能性が高いです。
しかし親子関係が一見円満に見えても、実は問題を内包している場合は、
その親子関係の問題が上司との関係で噴出してしまうことが往々にしてあります。
親子関係とは家族間の関係なので、例え歪んだ関係でも何とかギリギリすり合わせて薄氷を踏むようなバランスで取り繕えたとしても、
上司との関係は大人同士の関係なので遠慮が無くなり、お互いに妥協することないので問題が顕在化する場合が多いのです。
上司と本人の人間関係では勿論双方に問題がある場合がありますが、
周りに喧嘩売りまくるような上司の場合は、上司に原因があると言えます。
でもそんな上司とでも、上手く関係を結べる人が中にはいるのは事実です。
上手くしのげるかどうかは、本人の対人関係能力の幅の広さとも関係しています。
本人に問題がある場合は、本人の親との関係が歪なことが往々にしてあります。
例えば、過剰な親からの干渉に問題を感じずに成長した場合は、何かと上司を頼って依存するようになり上司の足を引っ張ることになります。
上司からは、頼りにならない仕事のできない部下と思われて、厳しい指導を受けることになってしまいます。
また、親からネグレクトされて成長した場合は、親から干渉されないことが当たり前だと思い、上司からの干渉をうっとうしく感じることになります。
上司の指導も受け入れられなくなり、関係を損ねます。
根を突き詰めると、親子関係も上司との関係も、根本はお互いを利用し合うことに尽きるのです。
依存し過ぎても縛り過ぎてもいけないほど良いバランスで、初めてお互いが上手く機能するのです。
だから部下を縛りすぎる上司は部下から嫌われ、上司に頼りすぎる部下は仕事が出来ないと判断され、
さらに上司のアドヴァイスに上手く耳を傾けることが出来ない部下が上司から疎まれるのは当然です。
社会から与えられた仕事の役割を十分にこなすことは、言ってみれば天命なのです。
だから自分自身の親子関係の課題を客観的に見つめて、そこから上司との関係の問題点を冷静に分析して仕事に役立てられるようにすることが重要です。
人間関係の対応幅が広い人ほど、どんな会社や環境でも円満にできやすいと言えます。
円満な親子関係で成長した人の場合は、会社、職場を探すときにも、その親子関係にマッチした似たような上下関係の会社を選ぶと上手くいきやすいと言えます。