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因果応報は真実か?(2024年1/31)

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【質問】

人のカルマとタンハー(渇愛)の関係については 

カルマは子孫に引き継がれる?(2024年1/28)

上記の記事で良く分かりました。


ところで、世間では

「悪いことをすると罰が当たる」

「この世は因果応報だから悪いことは出来ない」

という言葉をよく聞きます。


「因果は巡る・・」等と聞くこともあります。



この場合のカルマや因果応報は、上記の記事のカルマや因果応報とは少し違うように感じます。


今まで「因果応報」「カルマ」は、仏教の教えだと思っていたのですが、この違いは何でしょうか?




【答え】

 「悪いことをすると、それが必ず本人に返ってくる

ということには、「真理」が含まれているのですが、

一般にこのような言葉を発した時には、「悪いことをした罪人を裁く」というニュアンスが込められてしまいます。



一方、仏教の根本的な目的は、悟ることであり、それはカルマから脱することを意味します。

つまり仏教では、罪人を裁くことを目的としてはいないのです。



実は、「罪人を裁きたい!」という衝動に駆られることそのものが、タンハー(渇愛)なのです。


「裁きたい衝動」が人類のタンハー(渇愛)で、そのカルマを積み重ねています




そういう人類の根源的なタンハー(渇愛)から起こる衝動を、全く何も意に介さずに実行すること等は、仏教の修行者にはあってはならないことと言えます。



例えば仏教には「戒」(かい)というものがありますが、

仏教の修行者は、悟ることを目的として「戒」を守ります。

つまり、修行者は、自分が悟るために「戒」を守るのです。


①裁きたい衝動は、典型的なタンハー(渇愛)です



もし修行者が、「戒」を守らない者を「悪い奴だ」と決めつけて、「裁いたり」「とっちめたり」したいという衝動に駆られるなら、実はタンハー(渇愛)まみれで、カルマの轍(わだち)に嵌っていることになります。


このことを理解するのが、修行者としての第一段階になります。


相手が悪行を行っているからといって、それに釣られて自分も衝動的に悪行を行う等ということは、修行者としてはあってはならないことです。

ここで、注意することは、裁くこと自体は悪く無く、タンハーでも無いということです。

衝動に駆られて裁かなければ気が済まない」という情念に支配されることが、本能に振り回されている、ということになるのです。


これは、腹が減ったので、目の前にある食べ物を、何も考えずに衝動的に口に入れるのと変わらないということです。



結局、衝動(タンハー、渇愛)に振り回されていては、カルマの轍(わだち)からは、なかなか抜けられないのです。


この第一段階が分からなければ、カルマの話は理解し難いことになります。


それゆえに、仏陀の時代の修行法とは、衝動(タンハー、渇愛)から脱して自己コントロールが出来るようになるためのものでした。

悪人と見れば「因果応報」によって報い(災い)が来ることを願ったり信じたりする限り、本当のタンハーとカルマを理解することは困難になります。




この第一段階の理解が難しい人には、次の第二段階があります。

②真理である「自分の行いの結果が全て自分に返ってくる」を理解する


理解すべき真理は、

①相手のことを罰するなかれ。

②相手は、実際には関係ない。

③自分の行いの結果全てが自分に返ってくる。

以上の3点です。

ここから先ず、よく見なければいけないのは、自分の行いだということが、分かります。

そこで役立つのが観察瞑想(ヴィバッサナー)です。仏陀の時代に良く行われた修行法です。




現代でも、自分の行いを見ずに相手の行いばかりを見ている人が、何と多いことでしょうか・・・






以上のことの理解が難しい人には第三段階があります。


③自分が見ている相手は、全体のごく一部でしかないことを理解する



自分が見ている相手は、自然界全体のごく一部でしかないということを理解すべきです。

そしてその針の穴をつつく様な視野で「こいつは善人」・・「こいつは悪人」・・と判断するのは、無意味なのです。

針の穴ほどの視野の人間にとっては、相手が善人か悪人かは、初めから決められています



もし本当の善人悪人の判断をしたいなら、自分の視野を針の穴から拡大して広い視野を獲得し(修行した賢人レベルの視野)、第一段階の理解が出来れば、あらゆる条件を鑑みて善悪を自分で判断することが出来るようになります。


それは、自然の法則を使いこなして因果の法則の一部である起承転結」を理解することで達成できます。

簡単に言えば、裁判官が、検察側、弁護側の全ての条件を鑑みて裁定を下すのに似ています。 


本能に振り回されずに、自分が裁判官になるということです。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                

もし思考停止して、衝動をコントロール出来ないなら、動物的状態から抜け出すことが出来ずに、人間的思考が出来ないことになります。

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