【質問】
今年になって北海道のヒグマ被害と本州のツキノワグマ被害が激増しています。
山での筍堀、キノコ採り、栗拾い等で熊に襲われて死者や負傷者が出るばかりでなく、町中にまで熊が食料を求めてうろついているようです。
自宅の玄関先や庭で突然熊に襲われたり、登下校中の学生が襲われる等、家から一歩外に出ると熊の世界とも言えるそうです。
さらに夜中に民家の網戸を破って窓から侵入して、台所の食料を漁った熊もいるようです。
このように、過去には例を見ない熊被害の増加の原因として、専門家は熊自体の個体数増加とドングリの不作による飢餓状態を挙げています。
本当にそれだけならば、ドングリが豊作になれば、被害が減少する可能性もあります。
それとも何かほかの原因がありますか?
【答え】
今年の日本の熊被害の激増は、少子高齢化を象徴しています。
特に田舎では顕著に若者が減り老人が増えています。
残念ながら熊から見ると、老人は弱そうで簡単に脅せそうに見えるゆえに襲いやすいのです。
もし、相手が屈強そうな若者たちならば、熊の方から逃げていく可能性もありますが・・。
そうは言っても、人口の減少率よりも明らかに熊被害の増加率の方が勝っています。
人口が減る以上に遥かに被害が増えているのには、それ相応の理由があります。
熊被害の激増は、日本の産業の空洞化を如実に表しています
現在の日本は、少子高齢化によって産業が空洞化し、残念ながら国力が衰えてきています。
特に田舎での人口が激減しており、若者が都会に流出してしまうので、広大な地域を管理するのが難しい状況です。
人口に対して、人里が管理できない位広すぎるのならば、自ずと自然に返すしかなくなります。
昔も熊被害はありましたが、多くの熊が里に出没するようなことはありませんでした。
それは、マタギ(猟師)の働きのお陰でした。
昔は熊が人里に出る前にマタギ(猟師)が討ち取っていました
昔は熊が人里に近づけば、マタギ(猟師)によって討ち取られていました。
マタギ(猟師)の働きによって里の治安が守られていたのです。
ゆえに里の治安が維持できたのは、マタギ(猟師)の功績だったといえるのです。
その後、自然保護の運動のためにマタギ(猟師)仕事が激減し、マタギ(猟師)そのものの数も激減してしまいました。
これは、市町村の住民が、マタギ(猟師)によって里の治安が維持されていたことへの認識が希薄で、その功績を軽視していた表れでもあります。
また人間側の自然に対する管理不行き届きで、マタギ(猟師)に必要なお金を払わなくなった結果と言えます。
一種の平和ボケ状態だったのです。
今は熊ですが、今後もっと鹿が増えれば、鹿からも害されるようになる可能性があります。
そしてこの現象は、熊にもやられてしまう位、日本という国家が空洞化していることを表しているのです。
日本という国家は、熊被害を抑止出来ない位に空洞化しています
昔は、もし里の誰かが熊に襲われて命を失うようなことでもあれば、村の若者たちが徒党を組んで山狩りに出かけたものです。
ところが現代の若者には、そんな元気な者がおらず、また山狩りをする技術も持っていません。
現代の若者は、貧乏で働き過ぎて皆疲弊しているのです。
ゆえに国を守る気力を失っているのです。
少子高齢化世代の貧乏な若者たちは、もう国を守ることが出来なくなっているのです。
現在の日本は、何とか表面上は体裁を繕っています。
しかし酷な話ですが、内側が腐ったリンゴの実のようになっているのです。
日本は現在、空洞化しつつあります。
日本人は、いま日本が受けている被害は、けっして熊のみによらないことに、気が付いていないのです。
若者の給与が上がらなければ国家の元気が失われ、内側からやられます
現代の日本の若者の元気が無いのは、給与が上がらないからです。
それは政治に責任があります。
政治が適切に行われないならば、国民、特に若者の国家を守る意志が希薄になります。
そうなると国内の人々を政治が上手くコントロールできなくなります。
そうやって国家が内側から腐敗し、やがて最終的には崩壊の危機に直面します。
日本は今後、動物よりもっと厄介な人から害されるようになり得ます
今後日本は、動物だけでなく、国を搾取しようとする人々からの害に晒される可能性があります。
熊の数を管理する必要が生じているのと同様に、日本を害する人たちも管理していく必要が生じるようになります。
結局、自国は自分で守らねばなりません。
この責任は、若者だけでなく、現在の高齢者も選択を迫られる可能性があります。