【質問】
日本円が一時期急落して、今は下げ止まって膠着状態になっています。どうも日銀の為替介入が入っているようです。
今後ドル円の為替はどうなっていきますか?
【答え】
円の価値は、日本がどこの貿易大国と良好な関係にあるか、で決まります。
日本が親米だった時には、米ドルに伴って円の価値も上がったものでした。
しかし今や、日本の工場は、殆どが中国にあり、現在は完全に親中といえるのです。
そしてその中国が弱ってきているのです。
これでは円が上がるわけがないのです。
中国は、米国との関係が悪化して、米ドルとの直接の取引が難しくなっています。
それゆえマネーロンダリングの仲介役として円を利用する必要があるために、大量の円を保有しています。
そして、その円が下がってきているので、非常に焦っており、現在の円安が、中国にとっては痛打になっているのです。
だからこそ、米国が円安を誘導しているのです。
このような状況から、米国が中国に対して攻勢の立場にある限り、円は上がらないでしょう。
【中国が思っている日米関係】
中国は、「米国は日本にべったり依存しており(日本から利益を吸い取っており)、日米は共同体だ」と思っています。
米国にとって「日本は金のなる木で、絶対に手放せない植民地」だと解釈してきました。
ところが、米国からの攻撃(円安)が止まらないので、「これはもしかしたら、日本は人質としての価値がないのかもしれない・・・・」と、思い始めています。
中国は今まで、日本に進出して、日本国内の米国資産を人質に取っているつもりだったのです。
米国を甘く見ていた、とも言えます。
中国は、日本の企業内に入り込んで、米国を攻撃しているつもりだったのですが、いつの間にか、自分たちの方が日本の技術や経済力に依存してしまい、今や離れ難くなっているのです。
【米国の思惑】
米国は、現在の日本の中国依存を問題であり、反米である、とみています。
「日本が中国にすり寄るなら、日本を経済的に叩き潰すぞ!」というスタンスです。
そして、日本が経済的に潰れたならば、潰れた日本の残りかす(企業など)を安く買い叩くつもりです。
今の日本は中国の息が掛かっており、願い下げだというわけです。
このバイデン政権の円安誘導は、中国だけでなく、日本に対する攻撃でもあるのです。
日本に対しては、
「米中のどちらにつくか、はっきりしろ!中国につくならば経済を失墜させるぞ!」
という、意思表示なのです。
【日本の選択】
アメリカからの恫喝に対して日本はどうするのか?
以前のような親米の関係に戻せば、経済を守ってもらえるのでしょうか?
米国に付きさえすれば助かるのでしょうか?
ところが、ことはそう簡単ではないのです。
現在の日本の政治家や大企業の幹部たちは、べったりと中国に依存しており、抜けることが出来なくなっているのです。
彼らにとって、中国を切って米国と寄りを戻すということは、今の自分の地位、権力と財を失うことを意味するからです。
だから権力者たちは、誰も中国を切りたがらないのです。
その共依存関係から日本の技術が中国に湯水のように流れていくのは、米国にとっては度し難いことなのです。
こういう状況なので、円安が止まらなくなるのです。
この行き着く先は、どうなるのでしょうか?②に続きます