【質問】
日本の現政権は、ロシアのウクライナ侵攻に対して非難決議を採択し、強い言葉でロシアを批判しています。それと同時にロシアから輸入していた物資を輸入禁止の方向に持って行こうとしています。
米国も確かに、ロシアからの資源を全面的に輸入禁止にする等と宣言していますが、実際には昨年よりも原油輸入量を増やしているのが実情です。
日本は犠牲者を出しているウクライナへ同情し、米国や先進諸国と足並を揃えてロシアへの対抗姿勢を前面に打ち出していますが、日本にとってはロシアは隣国であり、領土問題も抱えています。
そしてロシアは、非難決議をした日本に対し敵国認定をして、対抗姿勢を鮮明にし、平和条約締結の交渉破棄を言い渡しました。
ロシアとの間に北方領土問題という固有の問題を抱えた日本がロシアに対して対抗姿勢を強く打ち出すことが国益に叶うのかどうか・・・・
北方四島を取り返す方法が残されているのかどうか・・・について教えてください。
【対露制裁についての答え】
現政権は、戦後以降に実行されたことのない位の強い経済制裁をロシアに対して発動しています。もちろん欧米の制裁のレベルに同調する意味もありますが、それ以外に政権なりの理由もありそうです。
ロシアへの強烈な経済制裁を発動するということは、日露の既存の経済のパイプを遮断することに他なりません。
今まで日露貿易などで潤ってきた企業や、仲介者は、煽り(あおり)を喰らうことになります。
ロシアから輸入していたもの(主に液化天然ガス、原油、石炭、非鉄金属他)などが入ってこなくなるとどうなるのか?
それに対しては単純な答えになります。もちろん他の国から輸入するのみです。いくらでも代わりの資源国が存在するのです。恐らく中国あたりが代わりの国になり得るでしょう。
そうなると、今度は日中の仲介者や中国と交易をしている企業が利益を得ることになるでしょう。
つまり、ここで分かるのは、親露の政治家が干されて親中政治家にチャンスが回るということです。
政権内部の議員たちは、圧倒的に親露派よりも親中派が優勢です。彼らに利得が回ることになるのです。熱心にロシアを糾弾するのにはこういう内情が隠されているようです。
親中派の政治家にとっては、大変な旨味の有る話でチャンス到来なのです。おまけに米国の後ろ盾まであるのです。これを逃す手はないでしょう。
ところで、この乗り換えは、日本にとってどんな不利益があるでしょうか?
はっきり言って日本本体には、今以上の不利益は殆どありません。
北方四島が返らなくなる?・・・・・今のままではどんなに平和条約を結んだとしても返って来ることは先ず、ありません。
どんなにお金を積んでも無理です。
ロシアは、現在の日本を対等に見てはいないのです。米国の言いなりの操り人形としか見ていないので、はなから相手にしていないのです。
そんな国とは、まともな交渉は出来ないでしょう。過去の政権が随分頑張って交渉していましたが、資金を出させられただけになるでしょう。
本当は、北方四島を取り戻したいならば、実は幾らでも打つ手はあるのです。
今の日本にはその条件が整っていませんが、心ある政治家が現われて権謀術数を駆使すればやり様は幾らでもあるのです。
その具体的な説明は、・・・No.2に続きます。