【質問】
仏陀の時代の仏教の修行法について、少し学べました。
とても参考になりますが、もし現代人に修行を課すとすれば、どんな修行になるのでしょうか?
どうすれば人生において少しでも困難を克服できて、向上して幸せになれますか?
【答え】
現代人は、勉強ばかりする傾向があります。
そして知識ばかりを吸収し、それで満足する傾向にあります。
情報化社会はインプットは多いのですが、アウトプットが不足しています。
知識を得ることによって、その分野に自分自身が精通しているのだと勘違いしています。
ところがその知識とは、偏っていたり、本人に合わない情報や誤情報が含まれており、何が本当に自分自身にとって必要で重要なのかが、分かりにくくなっています。
すべての分野でノウハウ本、マニュアル本が溢れており、その知識を得ればすべて上手くいくと勘違いしている人が、少なからず存在します。
もし、現代人に修行を課すとすれば、ひたすら実践行動のみです。
現代人は、知識ばかりで行動力の無い人が多過ぎます。
自分で転ぶことによって得られる実体験は、親や教師では与えられないものです。
幼いころから親や教師によって手取り足取り、転ばぬように大切に保護されてきた人が多くいますが、
いくら知識を身に付けても、ノウハウだけでは自分の力で取捨選択して現実に生かすことが出来ません。
とにかく、自分自身で行動して転ぶ体験が必要です。
自分の足で歩けば自分で転び、自分で起き上がることが出来ますが、
手取り足取り転ばぬように導かれてきた人は、そもそも転ぶということがどういうことか分からず、保護者がいなくなった時には、派手に転んで起き上がることが出来なくなる可能性があります。
現代は、社会の変化が激しくて、物の見方を変えていかなければついていけない時代になっています。
物の見方を変えるノウハウ本や情報はあふれていますが、実際に世に出て行動しなくては、そもそも物の見方を変えることが出来ません。
世に出なければ、カルマ取りをして執着を解き放って、向上することもできません。
常日頃、失敗を恐れずに、小さな失敗を積み重ねることが大切です。小さな失敗から学ぶことが、取り返しのつかない失敗を避けるとともに、大きな成功を得るための近道となるのです。