嫉妬心は、実は社会に帰属する故に湧き上がる感情なのです。
嫉妬心の強い人は、常日ごろから他人の足を引っ張ることを意識していることが多く、それが習い性になっている場合がよくあります。
自分が所属している社会への帰属意識が強すぎると、社会に対する依存心が強くなり、自分自身がその社会で評価されないと感じる時には、しっかりと立っていられなくなるのです。
その帰属社会での他人の評価に依存しているので、もし自分自身が評価されていない時には、同じ社会の評価されている他者に対して、強い嫉妬心を抱くのです。
ここから社会に帰属しているがゆえに起こる感情だと分かります。
但し、その社会のリーダーは嫉妬心を抱きません。
リーダーというのは、一々人の評価を気にしていては為せない役目です。
リーダーは、人の先陣を切って進み、人々を引っ張らなければいけない立場なので、そもそも社会に依存はしておらず、自立しています。
さらに、社会に帰属しない者は嫉妬心など抱かないものです。
絶海の孤島に住むロビンソン・クルーソーなどは、誰に対しても嫉妬心など抱きようがありません。
同じ嫉妬心でも強烈な嫉妬心の場合には、どろどろの嫉妬で苦しんだ上に、嫉妬心が爆発するような場合があります。
相手に社会的制裁を加えようとするときに、嫉妬心が爆発するのです。
その爆発のエネルギーを利用して制裁を加えるのです。
その時にはその社会において、相手を悪者にして制裁を加えようとする、強烈な欲が働きます。
ここでもやはり、社会と自分を同一視して、その社会の評価に依存してしまうので、嫉妬心が湧いてくることが分かります。
嫉妬心とは、人が自分よりも抜きんでることを許さない感情とも言えます。
だから嫉妬心の強い人は、分をわきまえない人とも言えます。
言い換えれば嫉妬心とは、その社会において自立や努力を免ぜられている者が起こす感情だ、と言えるのです。
自分の方が社会的に嫉妬する相手よりも立場が上のはずだ、という妄想があるので、現実に不満を抱き、それが嫉妬心となるのです。
妄想を抱くというのは自分自身が社会に対して責任を取っておらず、依存しているということです。
嫉妬心の強い人は、人と自分は違うということを理解して、社会において自分でしっかりと自立できるように努力すべきです。
自立できれば、自分の事で手いっぱいになり、人に嫉妬心を抱く余裕などなくなります。
嫉妬心の強い人は、常に一歩前を進む人の足を引っ張りたい欲を持っており、それが心癖になって本人を常に苦しめます。
チロチロと燃える炎のようにです。
本人がそのことに気が付いて改めない限り、ずっと苦しめられ続けます。
常に嫉妬で苦しめられる人は、自分の感情の在り方をよく観察することです。
それが改善への第一歩となります。
同じように、人の足を引っ張る人の場合でも、正面から足を引っ張ろうとする人は、嫉妬心など抱きません。
そういう人は、正々堂々と勝負するので嫉妬心など抱く余裕はありません。
真正面から対峙するので負ければ撤退します