ケチとは実は浪費家です。
またケチとは貧乏人の因縁です。
世の中のありとあらゆるものを総て金銭に換算できるとします。
家族、人間関係、仕事、財産、土地、環境、余暇、趣味・・・全てです。
これらの事が全てバランスよく循環することによって初めて人生の安寧が保たれます。
ところがケチとは、特定のある一部分だけを重要視して、他を犠牲にしてでもエネルギーを注ぐ状態の事です。
例えて言えば、手元のお金を増やすために、身の回りのありとあらゆるものを売り払ってしまうようなことです。
例を挙げてみましょう。
家族がどうしても必要な家具を買ったとします。
ところがそんなものを買うのはもったいないと言ってケチな世帯主が売り払ったとします。
確かにケチの手元のお金は増えて満足かもしれませんが、家族全体としては大損しています。
なぜなら、家族の家具不足の不自由さは改善されておらず、家具を買うために使った労力や時間が無駄になり、家具を楽しみにしていた家族の喜びが潰されて、ケチに対する怒りや憎しみが起こり、家族間の不和にまで発展する可能性があります。
手元のお金以外に目を向けず、他の面の価値を見出さないとそういう風になってしまうのです。
例えば士農工商の時代に「五公五民」という言葉があります。
領地の農民が米の石高の五割を年貢として納め、残りの五割を農民が自分たちのために使うという制度です。
もし武士側が、年貢米を増やすために八公二民にして、耐え切れなくなった農民が次々と逃散(逃げて居なくなること)すると、
その領地は領民が激減して大損してしまいます。
つまり、全体をよく考えずに目先の利益を優先すると全体のバランスを崩して貧乏になってしまう典型です。
一方、妻の関心を得たいために財産を湯水のように妻のために使ってしまう人がいるとします。
この人の場合は、どケチとは違って単なる浪費家であって、ひたすら財を湯水のように失っていくタイプです。
どケチは、家具だけではなくあらゆる面、人間関係や仕事などでも同様のどケチを常日頃行っており、同じように大損している可能性が大です。
そして、そのことに気が付いていないことが最大の問題と言えます。