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アセンションと末法思想 アセンション思想のカルマ

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「アセンション思想」とは、善なる者が高次元の存在によって救われて生き残り、逆に高次元や宇宙の意思に反する悪者は、滅ぼされて地獄に落とされるという思想です。

これは仏教の世界では形を変えて「末法思想」として伝わっており、当時の仏教もキリスト教の影響を強く受けていたことを伺い知ることができます。

近代史では「終末論」として別の形で存在していました。

これらの思想の源流をたどれば、その起源は旧約聖書、ユダヤ教の「ノアの箱舟思想」に求めることができます。

本来、この教えは、自分たちの民族だけが神に寵愛され、救われ、敵である異民族は全て滅ぼされる道を辿る、という教えでした。

同族の繁栄を祝福し、敵である異民族を滅ぼすために、戦争へ命を賭け、神に勝利を祈っていたのです。
当時は常に、異民族同士で血で血を洗うような戦いが繰り広げられるのが、当たり前の時代でした。

しかし、時が移るにつれて、その有様も少しずつ変化していきます。


キリスト教が勃興し、守るべきものや祈るべきものが、いつの間にか民族ではなく国家となりました。
そしてこの思想は、「国家が外国へと侵略し、富を得るための正当性を証明する教え」として利用されました。
教義によって侵略を正当化したのです。


当時のキリスト教では、異民族、異教の信奉者は滅ぼすべき悪であり、神の寵愛を受ける道を踏み外した外道であり、人権を認められた人ではありませんでした。
異民族、異教の人間は、いずれも最終的には滅ぼすべき敵であり、神から断罪されるべき異教徒だったのです。

そしてまた時代を経ることで変化が起こります。


同じ宗教を抱くもの同士の間で起こった戦争や紛争の繰り返しを経て、ついには戦争が起こらない平和が常の世が到来したのです。


しかし、人間は教義(正義)のもとに他者を攻撃するという生き方を長い歴史を通して培ってきたため、この人間としての業となってしまった生き方を簡単にはやめられないのです。


今までは悪として滅ぼしてきた異民族の代わりに、社会や神の法に背く者、犯罪を犯す者、教義に反する者、社会的に好ましくない人々を悪と見なして彼らを弾圧・迫害するように変化していきました。


悪を裁き、悪を攻撃することによって自らの心が安らかになる時代が訪れたのです。

しかし、教義のもとに悪を裁くという行為にもついには限界が訪れました。グローバル化の時代の到来です。


それまでの社会では、教義や法によって定められたルールを守る善人とそれらに反する悪人という構図が出来上がっていました。

しかし、グローバル化によって、同じ国家や文化の中に色々な民族や宗教、人種が入り混じるようになり、多様な教義やルールが混在するようになったのです。

今まで、自分たちが、社会から尊重されず、善性に見合った立場を得られておらず、不平等に扱われていると思っていたために、万民に対する自由平等を渇望していたところ、遂にそれが実現してしまったのです。


万民の自由平等を標榜していたために、今まで社会の暗黙のルールや宗教的な教義によって「悪」と決めつけていた人々の自由、平等、公平性まで尊重しなければならなくなったのです。

善悪の構図がついに崩れ始め、個人の自由・平等・権利こそが最も尊重するべきとする社会が訪れたのです。
この形こそが自分たちが理想としていた善なる教義の終着点であり、最も正しい規範の究極の姿になるのです。

しかし、やはり長年の歴史で培われてきた人間の生き方、性(サガ)は、そう簡単に変えることができないものです。

今まで「悪」を叩くことで「善人」の地位を得ていた彼らにとっては、きわめて過酷な時代がやってきました。

裁くべき悪がいなくなったために、彼らもまた「悪を裁く善人」ではいられなくなったのです。

こんな善悪の価値観をかたくなに守り、捨てられない人々は、なかなか新時代の価値観を受け入れられません。

新時代のグローバルな自由平等の考えを持つ人自体が、彼らにとっては悪そのものだからです。

彼らにとっては、自分たちの悪を挫く善性、善行が社会から認められないこの現代は、まさに地獄そのものと化すでしょう。

これこそが、「アセンションという教義」を「人を傷つける刃」として振りかざし、「他者を断罪しようとした」結果のカルマなのです。

アセンションという教義に囚われ、時代の変化を拒絶してしまうと、実は取り残されるのは自分たちの方になってしまうのです。

しかし、それが渇愛(タンハー)となっている以上、彼らはその概念にこだわること、そして悪を旧来の価値観によって裁くことをやめられません。

この縁起(終わらないループ)が、カルマとなって彼らを無間地獄へ閉じ込めてしまうのです。

ここから逃れるには、自分自身の心のあり方を見つめ直して、自分の価値観を世の変化に合わせて変えていくしかありません。

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