【質問】
私には、学生時代からのとても親しい友人(女性)がいます。
その友人がお金持ちと結婚して、私が買えないような高価なものを買ったり、豪華な旅行に行ったりして、度々自慢してきます。
私は、その自慢話にうんざりしています。
彼女の自慢話に付き合っている自分にも嫌気がさします。
でも、古くからの仲良かった友人なので、やっぱり会ってしまいます。
このイライラともやもやをどう対処すればいいでしょうか?
【答え】
質問者さんは、威張ってばかりいる友人に腹を立てています。
しかし、その友人と長い親しい付き合いができたのは、自分とその友人が、同じ価値観を持っていたからです。
その価値観とは、「人間関係とは、見下すか見下されるかのどちらかである」というものです。
この価値観を持っている人は、
周囲の人を見下したり見下されたりしながら、自分の価値観をより強固にしていきます
これが、この人たちのタンハー(渇愛)なのです。
引き寄せの法則によって、同じ価値観の者同士が集まるので、彼らは世界中がこの価値観によって支配されていると思い込んでおり、他の価値観を受け入れられなくなります。
質問者さんも、実は自分の価値観を維持するために、同じ価値観のその友人を必要としています。
だからこの友人となかなか離れられないのです。
この価値観を共有するというのは、例えてみれば
野球の熱烈なファンがファン同士で集まると、野球の話題で盛り上がり、楽しくて人生を謳歌できるようなものです。そんな集団には、野球に興味の無い人は近づかないでしょう。また、その集団の人は、世界中の人が同じように野球に夢中だと思い込んでしまうでしょう。
また撮り鉄と呼ばれる人たちも、同じ価値観の撮り鉄仲間同士でしか、その行動を理解してもらえません。
だからこの質問者さんも、もし友人と同じ立場だったら、同じことをしたでしょう。
ただ、自分が見下すよりも見下されることの方が多いためにイライラもやもやが募ってしまうのです。
一方的に見下されてばかりだと、腹が立ってくるのは当然です。
もし、この質問者さんが、自分自身の価値観を変えることが出来れば、友人からどんなに自慢されても平気になれるのですが・・・
価値観を変えられなければ、その友人から離れたとしても、また同じ価値観を持った別の人を引き寄せて、同じようなことが起こるでしょう。
では、どうすれば良いでしょうか?
このような辛い悩みの対処法には3段階があります。
①第1段階・もっとも簡単な方法は、その友人から離れることです
友人との交際を減らすと、自慢話をされる機会も極力減らすことができます。
自慢話のイライラを減らすことは出来ますが、親しかった友人との交際を絶たねばならない制限を受けるということは、その価値観の影響を受け続けていることになります。
次の第2段階では、この影響を受けないようにすることが出来ます。
②第2段階は、相手のタンハー(渇愛)を利用する方法です
相手のタンハー(渇愛)を利用して、自分自身がタンハー(渇愛)の仲介役になる方法です。
⑴友人の自慢話を聞いた時に「へぇ~凄いですね!」と感心してみせます。
⑵そしてその話を、同じ価値観の別の友人に自慢げに話すのです。
その時、自分が「虎の威を借る狐」のように、「セレブ友人の威を借る」ことがポイントです。「とてもセレブな友人の○○さんが○○したそうですよ!凄いでしょう?」
するとその別の友人◎◎は、タンハーに駆られて負けじと自分の自慢話をするでしょう。「そうですか?そんなことは別に大したことないですよ。私なんかこの前◎◎したんですから!」
それを聞いたら「まぁ~凄いですね!もっと素晴らしいですね!」と感心して、
⑶その自慢話をはじめのセレブ友だちに持っていきます。「◎◎さんは、この前◎◎したそうですよ!めちゃくちゃ凄い話ですよね?」
するとそのセレブ友人は、またタンハーを発揮して「○○・・・・・・」
と、こういう具合に相手のタンハーを利用して自分が仲介役になることで、自身がタンハーの餌食になることを避けることが出来、影響も受けなくなります。
この方法は、実際に行っている人がいます。
他人のタンハーの仲介役になると、同じ自分のタンハーをコントロールできます
この方法は、タンハーから来るカルマを積まないようにする方法といえます。
ただし、この方法では、残念ながら自分のタンハー(渇愛)を薄めたり、無くしたり(滅したり)することは出来ません。
ゆえに、いつか抑圧されているタンハーが暴発することがあるかもしれません。
③第3段階・最も優れた方法は、自分自身の「歪んだ価値観」そのものを変えることです
自分の価値観を変えるとは、自分のタンハー(渇愛)を滅する(無くす)ことを意味します。
これは大変高度で難しいことですが、仏陀もタンハー(歪んだ価値観)を滅する方法を、教えています。
これが達成できれば、どんなに自慢されても煽られても、決して心が揺るがなくなります。
常に心を平静に保てるようになります。
ゆえにイライラ、もやもや、腹が立つことも無くなります。
この方法を達成するためには、以下を参考にしてください。
仏陀の教えから・その2「苦」と向き合う(渇愛・タンハーを滅する修行)