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念力で人を呪い殺せますか?(2022年4月22日)

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平安時代に安倍晴明という陰陽師が実在しました。念力で様々な不思議な術を使ったといわれています。その強力な念力の話が現代にも伝わっています。

現代の人々は、自分自身の思いや感情を直接相手に電話やメール、SNSなどで伝えることが出来ますが、江戸時代頃までは思いがあっても中々相手に伝える手段が無く、慮る(おもんばかる)ことが多かったのです。

思いを伝えにくかったので、お互いに勘ぐり合うことが多く、その思いが「念」と言われて人々から認識されていました。

当時の人々が「念」の存在を信じて、言葉を使わずに「念という思い」のやり取りをしていたのは事実なのです。

それでは、その「念力」によって言い伝えにあるように人を呪い殺すことが出来たのでしょうか?よく呪い殺された人の話が出てきますが・・・

【答え】

現代は、「物理現象」と「念力」は全く別の物として扱われていますが、昔は同一のものとして認識されていました。

例えば、平安時代において、権力者がある人物を暗殺するように配下の者に命じるとします。すると、配下の者は、密かに毒を盛ったり、襲ったり、水に沈めたりして暗殺を実行します。このことは、秘密裏に行われるので命令を下した権力者の名前は表に出てきません。

そういう不審な原因が分からない死を遂げると、「呪い殺された」ことになったのです。

もし、安倍晴明がむにゃむにゃ唱えながら不思議な術式と人の名前を紙に書いてフッと吹くと、その紙が何処かに流れ行き、必ずその人が不審な死を遂げるとします。そういう場合は、その人は間違いなく呪い殺されたのです。

そして晴明が人の名前と術式を書き、書かれた人が必ず不審死を遂げると、人々はその強大な念力の安倍晴明を大変恐れてますます話に尾ひれがついて伝わっていきました。

しかし、安倍晴明の術式とは、暗殺命令の暗号である可能性があるのです。安倍晴明がその配下に術式という暗号で、暗殺の命令を下したかもしれないのです。

安倍晴明は、歴代の天皇に仕え、従四位下まで出世した権力者でした。表に出しては都合の悪い汚れ仕事は全て「念力」や「呪い」のせいにした可能性があります。

物理的に殺した、となると都合の悪いことには「念力」「呪い」という言葉が使われた可能性があるのです。当時の人々は、実際にお互いに「念」を信じて「念」という思いを密かにやり取りしていたので(お互いに勘ぐり合っていた)納得したのです。これ(納得させたこと)こそが、本当の念力と言えるでしょう。

ここから分かることは、「念力」とは、物理的に作用する力ではなくて、人に対して影響を与え、人を動かす力だということです。

例えば、ある有名人がファンに対して「○○への寄付を集めるのでよろしく頼みます!」と言ったところ、数千万円のお金が集まったとします。これこそが立派な「念力」なのです。

仏陀の二大弟子であるモッガラーナ尊者は、法力第一と呼ばれていましたが、バラモンの大変な権力者の家系の出身でした。そして、その法力によって、大勢の仏弟子たちを動かせていたことが伝わっています。

結局、強力な念力が使えるのは、皆権力者だと言えます。人を呪い殺せた安倍晴明が呪い殺されなかったのは、晴明が大変な念力を持っており、呪い返しが使えたからですが、つまりは強大な権力を持っていた晴明を殺すことが出来なかった、ということです。

現代は色々なことが直ぐにメディアやSNSでつまびらかにされるので、「念力」などを信じる人は少ないですが、「人を動かす権力のことを念力と言います」と説明すれば納得できるでしょう。

昔の人々は、「念」の存在を感じて信じていたからこそ、「畏れ(おそれ)」の感情も持ち合わせていました。お互いに念の存在を信じていたからこそ影響を受け合ったのです。そして、強い念を持った相手には気圧(けお)されて畏まって(かしこまって)しまいました。あるいは、恐れるあまりに体調すら壊してしまいました。

現代人は、念の存在は信じませんが、強い権力や権威、大きな財力を持っている相手には気圧されてへり下ってしまいます。

結局、現代人も昔の人も、同じもの(権力)に気圧されてしまうのかもしれません。

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