できて当たり前と言われる物事が難しくなってしまう、ハードルを抱えているがために生きづらくなってしまう発達障害。
霊的には、いったいどのような状態なのでしょうか？また、どのようなアドバイスができますか？
発達障害者が現代で生きづらさに悩まされている理由は、社会で生きるために必要とされる能力が昔とは大きく変わってしまったためです。
例えば、昔であれば獲物を狩ること、もしくは農作業に従事し、あくせく働く才能が求められていました。
これらの仕事は、一つのことにひたすらわき目もふらずに集中する才能が求められていましたから、集中力の偏りが強い発達障碍者ほど成功しやすい環境であったといえます。
現代のように情報社会が発達していない時代には、他人と円滑なコミュニケーションを行うことはそれほど重要ではありませんでした。
農作業でも土木建築でも、仕事をする相手はほとんどが「自然環境」であり、「人」ではなかったのです。
現代ではコミュニケーション力が高い方が一般的には成功しやすいといえますが、反面、他人からの影響や干渉を過剰に受けやすい、という弱点もあります。
アインシュタインやエジソンなどを含め、稀代の天才や発明家たちは、基本的に人の話を聞きません。一般人と同じ目線で物事を見てしまっていると、彼らの独創的なアイデアを活かすことはできないのです。
しかし、実際に発達障害的な傾向があるために現代社会で強い生きづらさを実感している人が多いのも確かです。人類全員が天才になることはできないのですから。
一言で発達障害とは言ってもその傾向も様々です。
発達障害であることを「活かす」ためには、いわゆる一般であるとか、平均、できて当たり前である、常識、などという言葉から脱する必要があります。
できて当たり前であると思われていることができないからこそ、発達障害として扱われるのです。
しかし実際には、その「できて当たり前である」ことは、本当にできて当たり前なのか？を考える必要があります。
人間というのは健常者であれ誰であれ、能力や才能というのは必ず偏っているものです。
すべてが平均値の人間など存在しません。
しかし、現代社会では、特に日本においては、「平均であることを強要する」傾向にあります。
勉学や学習においても、「平均でなければ付いていけない」教育を平然と行っています。
実のところ、平均を求められれば脱落してしまうような能力の持ち主であるならば、最初からその平均を求めすぎないことが肝要です。
無理に平均であろうとしても、平均の能力を持たない者は必ずいずれ脱落してしまうためです。
平均であることが最もよい教育なのではなく、自分を最も活かせるように伸ばせる教育こそが最も良い教育であることを理解する必要があります。
奇妙な話ですが、無理に平均であろうとする人は、健常者であれ発達障害者であれ、自他ともに「平均であることを押し付けようとする傾向」があります。
この平均とは、自分自身が「これが正しい平均だ」と思い込んでいるに過ぎないものであり、「平均の押し付け合い」は人間関係に軋轢を生むものです。
自分と他人は違うのだ、という言葉の意味をしっかりとくみ取り、自分の常識を相手に押し付けないことが肝要です。
多少理想論となりますが、互いの違いを認め合い、真の意味で適度な棲み分けができれば、互いに必要以上の軋轢や苦痛を味わう必要はなくなるでしょう。
